アナログな薪ストーブの苦悩   2009/12/20

松井設計室の計画建物は高断熱仕様に加え、採光計画を綿密に行っています。
断熱は断熱工事後に全棟自らの発砲ウレタンガン、ブチルテープを持参し、1週間かけて全箇所補修チェックに廻っていますので隙間もなく完璧。

採光計画も立地条件、方角、太陽高度から綿密に行います。

松井設計室事務所も同様に断熱計画、採光計画しております。
断熱計画、採光計画がしっかりされた建物は真冬でも晴れた日には十分な暖かさが得られ、機械暖房は不要です。
どちらかというと室内はオーバーヒートぎみで換気窓を少し開けて快適な状態を維持します。

そのように計画した事務所ですが、最近は冷え込む事が多くなり、薪ストーブの出番も多くなっています。
薪ストーブは究極にアナログな器具で点火したら薪が燃え尽きるまで消せない、温度調整もほとんど不可という代物。

よって点火して数時間は快適なのですがその後は“暑い”というか猛暑状態。
チビチビ焚くとストーブ内の温度が下がり、二次燃焼の温度まで達せず、煙突から煙がモクモクと上ることが判明。
ご近所に迷惑が掛かりますので、焚くときはガンガンに焚かなければいけません。

ストーブ

結果 外が雪景色にもかかわらず、遊びに来た娘たちは一枚脱ぎ、二枚脱ぎ・・・最後はシャツにパンツ状態。
窓も常時開放。

設置して実際に使ってみて体験した、想像を遥かに超える薪ストーブの暖かさ。
カタログからのカロリー計算や断熱理論等すべてが吹き飛ばされた状態。

薪ストーブは燃焼に多くの空気を必要とし、通常は室内の空気を使用するのですが、暖められた空気を使用するのは効率良くないし、その分外気を室内に絶えず取り入れなければならなくなり、エネルギー効率からすれば非常によろしくないので、薪ストーブに外気を直接導入する保温配管をわざわざ設置してあります。

今から思えば薪ストーブ屋さんの“そんなの必要ないですよ”という言葉も理解できる。
ログハウスが暖かいとよく聞くが、それは建物性能の面より、ログハウスの大半に設置されている薪ストーブの効果が大きいと確信しました。

これで良いのだろか・・・。エコ理論には反しているような・・・。

今後の課題はこの膨大なエネルギーをどのように有効利用すべきか。
設計士の苦悩は続きます。

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